編集部ブログ
2021年04月
2021.04.30
『タオと宇宙原理』で宇宙へ脱出!
ずいぶん日差しが強くなって、新緑が青空に映えています。ニュースでは、新幹線や飛行機で遠出する人が映し出されていました。変異株の出現は予想されていたことですが、高い感染力とともに死亡率が高いのが気になります。この季節、外に出たいのですが、今年はじっくり読書はどうでしょうか。折角まとまった時間のとれるゴールデンウイーク、行動制限された日常を離れて、世界といわず、気持ちだけでも宇宙に飛び出したいものです。『タオと宇宙原理』は、宇宙の神秘性や未知の可能性への探究心と鋭敏な感受性を持つ人にとっては、非常に興味を惹かれ、目を開かされる内容に違いありません。著者は、仏教哲学を専門とし、老子を始めとする東洋哲学にも精通する、森上逍遥氏!
2021.04.29
高額療養費制度(かんたん医療用語5)
日本の場合、医療費は保険証を提示すれば原則3割(小学生から70歳未満の場合)です。しかし、入院や手術などで医療費が一時的に数十万円、数百万円になることがあります。こうした高額な医療費がかかったときでも上限を設けて負担を抑えてくれる制度が高額療養費制度です。上限額は、年齢や所得に応じて定められていて、いくつかの条件を満たすことにより、負担を更に軽減するしくみも設けられています。高額療養費とは、同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。しかし、あとから払い戻されるとはいえ、一時的な支払いは大きな負担になります。医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関等の窓口に提示すると、1ヵ月の窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。また、自己負担額は世帯で合算できます(世帯合算)。高額療養費についてのお問い合わせ先は、どの医療保険制度に加入しているかで変わりますのでお持ちの被保険者証で、保険者の名前をご確認下さい。
2021.04.28
腎臓を大切に! 気温上昇、運動不足とのダブルパンチにご注意下さい
熱中症対策は「水分補給だけは欠かしませんでした」という方も多いことでしょう。あなたの腎臓はいつも人知れず猛烈に働いています。腎臓は体内の水分調節の要です。「沈黙の臓器」といわれる腎臓は、もし腎臓機能が落ちても、2~3割なら腎臓が頑張ってくれているのです。歳をとってから夜中にトイレに起きるようになるのはどうしてでしょうか? それは腎臓が弱ってくると効率よく尿を作ることが難しくなり、尿を作る腎臓の働きが夜に持ち越されるためです。健康診断などで、「腎臓の数値が悪い」といわれている方! 特に自覚症状がないからといって対策を立てないと、気が付いた時には、人工透析の一歩手前まで来ていた、なんてことになりかねません。「まだまだ大丈夫だと思うけど、何となく心配」という方、『腎臓病をよく知りともに闘っていく本―腎臓病治療30年以上の専門医だから伝えられる治療に直結する腎臓病の真実』(桜の花出版、岩崎 滋樹 著)がお勧めです。
2021.04.27
がん患者の10年生存率全体で59.4%、国立がん研究センターが公表
国立がん研究センターが、10年生存率を公表しました。10年生存率は全体で59.4%。24万人近くの患者の大規模なデータに基づいた統計は初めてです。前立腺がん以外では、各がんとも、ステージが進むと10年生存率はかなり低下し、早期発見の重要性が改めて感じられました。国立がん研究センターが分析したところ、若い世代では胃がんなど一部のがんで高齢の世代よりも進行した状態でがんが見つかる割合が高かったということです。
2021.04.22
80歳を過ぎたら…、全身を診る老年科の重要性
GW前の緊急事態宣言の発出をめぐり、ニュースが飛び交っています。そんなニュースの中で、渋谷のボウリング場でボウリングを楽しむ高齢者の方々が映し出されました。「渋谷でボウリングされるお年寄り」…なんだか、ちょっと幸せな気持ちになりました。しかし、ボウリング場の女性代表者のコメントが印象に残りました。高齢者の方が、週に2回、3回、ボウリングを楽しむことで、筋力が維持される、それが無くなることの弊害に配慮があっても良いのではないか。ある常連の方が、外出自粛解除後、車いすで訪ねていらしたとのことです。胸が痛む話でした。
『国民のための名医ランキング 2021~2023―いざという時の頼れる医師ガイド 全国名医1045人厳選』では、老年科の分野も取り扱っています。老年科(高齢診療科)では、高齢の方を総合的に診察し、今何を中心に治療していくか、治療方針を立てます。年老いて、転んでばかりいて、だんだん足腰が弱くなって、誤嚥して、肺炎になってまた治って…、どこで診てもらえば良いのか。呼吸器内科でしょうか、心臓も悪いので循環器内科でしょうか、整形外科にも行かないと…という患者さんがいます。80 歳を過ぎていれば、症状別に各科を回るのではなく、老年科、高齢診療科での受診も有効です。がんの治療も、認知症との兼ね合いなど総合的に検討されます。
2021.04.21
がん検診を受けよう
コロナの影響で自治体のがん検診を受ける人が前年より約30%も少なくなっています。日本対がん協会は「がんが進行した状態で発見される可能性もあるので受診を」と呼びかけています。イギリスのBMJ誌(2020年11月4日号掲載)によると、がん治療が4週間遅れるだけで、手術、全身療法、放射線療法の適応となる7つのがんで全体の死亡率が上昇するという報告がされています。人間ドックなどもこれまで通りに受けた方が良いでしょう。女性の方にとっては乳がん検診も重要です。乳がんは女性が最もなりやすいがんで、女性のおよそ9人に1人が罹るということです。厚労省は今後、医師の立ち会いなしでも看護師などによって乳がんの問診を可能にする方針ということです。医師不足の地域などで検診の実施が進むことが期待されています。受診が減っているのはコロナ感染を心配してのことだと思いますが、がんの発見が遅れては本末転倒ですので検診は積極的に受けましょう。
2021.04.15
緑に囲まれて育つと小児の炎症性腸疾患発症リスクが低下(最新医療10)
居住環境の緑地(自然植生)が多いほど小児期に炎症性腸疾患(IBD)を発症するリスクが下がることが、カナダで行われた観察研究で明らかになりました(Am J Gastroenterol誌2月号)。一般に、炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎とクローン病に分類されます。炎症性腸疾患を患う子どもたちの数は、世界規模で増えています。研究では居住環境の緑地と小児期の炎症性腸疾患との関連に影響し得る要因として、様々な微生物に曝露されるなどの直接的要因や、レクリエーションとしての運動量の増加やストレス軽減といった間接的要因を挙げています。研究者らは身の回りの環境を変えることで小児期のIBD発症を予防できる可能性があるとしています(日経メディカル)。
2021.04.14
野に咲く花々からの贈り物
桜前線は、東北にまで北上中だそうです。東京では八重桜が舞っています。この季節の花々や草木の生命力には元気づけられます。―辛い時も悲しい時も、一人絶望に立ち尽くす時も、足元の花々はあなたに生きる力を与えてくれる―
『行く道に花の咲かない道はなく』は、素朴な花々の絵と俳句の本です。
2021.04.13
古事記伝ほか神道の稀少書籍を電子書籍で出版
先日、伊勢の神宮を参拝させて頂きました。7年ぶりですが、伺うとつい昨日のことのようで、全く変わらない静寂さで迎えてくれました。日の出が5時30分過ぎでしたので、その前に伺いました。「鎮守の森」の木立が素晴らしく美しく力強く、自然の力があってこその祈りの場と感じました。
弊社では神道系の稀少書籍を電子書籍(kindle版)で発刊しています。
◇古事記伝 本居宣長
◇神道大辞典全三巻合本平凡社
◇後水尾院当時年中行事
◇神祇辞典
◇神道叢説
◇神皇正統記
◇古語拾遺
◇延喜式 ほか多数
2021.04.08
『THE NEW KOREA』再発見(7)
朝鮮総督府が1932年に発行した『外人の観たる最近の朝鮮』という本があります。これは朝鮮を視察に来た5人の外国人の報告をまとめたものです。総督府は日韓併合(1910年)が諸外国からどう見られているかを注視していたようです。この本は必ずしも日本の朝鮮統治を称賛する目的で出版されたものではなく、本の中で通訳の小田安馬は「外人の忌憚なき感想を有のままに紹介することは又以て他山の石と為すべく…」と書いています。巻末には総督府書庫が所有する朝鮮について書かれた洋書のリストがあります。この中には桜の花出版から翻訳出版されている、『1907』、『朝鮮はなぜ独立できなっかたのか』、『THE NEW KOREA』が入っています。それぞれ異なる時代、立場が違う3人の著者が見た日韓併合に関する重要な記録です。世界を実際に見て体験していた、欧米の宣教師や学者は朝鮮で何を観たのか。現代の日韓問題に通じる、非常に重要な論点が当時からすでに語られています。当時の総督府も翻訳して参考にしていたと思われる、貴重な記録が現代に蘇りました。