編集部ブログ
2021.06.22
新型コロナウイルス感染を増強する抗体発見、阪大免疫学フロンティア研究センター
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの荒瀬尚教授ら研究グループが、人体に新型コロナウイルスに感染する際、ウイルスの侵入を助けてしまう悪玉の「感染増強抗体」も作っていることを発見し、米科学誌「セル」に発表しました。免疫には多くの細胞が関与し、自己と非自己の認識を行なっています。非自己に対する攻撃(免疫)のアクセルとブレーキがあります。このアクセルとブレーキのバランスが取れていない状態が「病気」の原因の一つです。抗体は、非自己(ウイルスや細菌など)の特定の異物にある抗原(目印)に特異的に結合して、その異物を生体内から除去する分子です。その抗体に、感染を促す作用をする作用があるものが見つかったとは、驚きです。本当に人体は、まだまだ謎に満ちています。免疫システムもまだまだ未知の部分が多そうですが、健康でいるためには、すべてにおいて、バランスを崩さないということに心がけたいものです。