編集部ブログ
2021.05.28
ウイルスで悪性の脳腫瘍を治療(最新医療13)
厚生労働省は悪性神経膠腫に対する治療として、がん治療用ウイルス「デリタクト注」を承認する予定です。東京大学医科学研究所の藤堂具紀教授らにより創製されたもので、ウイルスを用いてがん細胞を攻撃・死滅させるという新しい治療法になります。「デリタクト注」は遺伝子組換え技術により、がん細胞でのみ増殖するよう設計されたウイルスでがん細胞に同ウイルスを感染させると、ウイルスが増殖するとともにがん細胞を破壊・死滅させ、抗腫瘍免疫も誘導するとされます。ウイルスを使ったがんの治療薬が国内で承認されるのは初めてです。対象となるのは悪性の神経膠腫の患者のうち、手術や放射線治療などの標準治療で効果が見られなかった人で、小児も対象になるということです。