編集部ブログ
2021.01.21
重粒子線治療(最新医療7)
がんに対する三大療法は外科手術・化学療法・放射線治療です。このうち放射線療法の種類は光子線のX線、ガンマ線治療に加え、粒子線の陽子線、重粒子線、ホウ素中性子補足療法があります。今回は重粒子線治療についてのお話です。重粒子線治療の特徴はからだの深いところにある、がんのみを集中的に照射できる点です。また、他の放射線治療に比べ、短期間での治療が可能です。手術に比べて根治性は劣るとされていますが、身体への負担が少なく、他の放射線と比べてサイズが大きい腫瘍に対しても短期間の治療が可能とされています。現在、保険適応となっている疾患は頭頸腫瘍・涙腺がん(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)、脈絡膜悪性黒色腫、切除非適応骨軟部腫瘍(肉腫)、局所前立腺がん・局所進行前立腺がんです。その他、先進医療(患者負担 314万円)の対象は食道、膵臓、腎、婦人科、肝臓、大腸です。また、ステージII~III食道がんの術前照射、ステージ0または1の乳がんの臨床試験が始まっています(放医研HPより)。重粒子線治療は放射線治療の中でも特に注目されている分野です。詳しくは国内6箇所の重粒子施設にご相談ください。
名医1045人掲載、最新版『国民のための名医ランキング2021~2023』