編集部ブログ
2020.12.17
『THE NEW KOREA』再発見(5)
イギリス人の植民地研究学者、アレン・アイルランドが日韓併合を分析した『THE NEW KOREA』(1926年)は併合から16年後に出版されました。アイルランドは1910年の併合時からの変化を様々な点から分析しています。併合に関する重要人物として、具体的な日本人の名前も何人か挙げています。特に第三代の朝鮮総督である、齋藤實総督の手腕を高く称賛しています。齋藤實総督は第五代の朝鮮総督も務めた後、第三十代内閣総理大臣に就任しています。アイルランドはこの本の内容について、「齋藤朝鮮総督の賢明で思いやりのある指揮の下に発展してきた新しい朝鮮について語っている」と記しています。また、アイルランドは日本の朝鮮統治に批判的だった現地のメソジスト教会のハーバート・ウェルチ監督の記事を紹介し、日本の統治政策が大きく変化したことを指摘しています。「齋藤男爵は高圧的な態度をとる代わりに、寛大で友好的な姿勢をとり続けた。(中略)彼は持ち前の強靭さで、時間をかけ、朝鮮の人々の幸福(繁栄)のために大きな事を成し遂げるだろうと私は信じている」 。