編集部ブログ
2020.09.03
『THE NEW KOREA』再発見(3)
イギリスの著名な植民地研究家であるアレン・アイルランドが日韓併分析をした、『THE NEW KOREA』(1926年)は意外なことに日本語版よりも韓国語版が先に出版されました。韓国語版は今でも韓国大手通販サイトで購入することができます。『彼らが見た私たち―Korea Heritage Books』シリーズ全27冊の第7巻に『THE NEW KOREA』は収められています。このシリーズは16世紀から20世紀半ばまでの西洋人が記録した歴史的に貴重な韓国論を出版している意欲的な企画です。日韓の歴史的なつながりを知るうえでも大変興味深いシリーズです。第1巻はルイス・フロイス(1532-1597)です。フロイスは織田信長や豊臣秀吉と会見し、戦国時代研究の貴重な資料となる『日本史』を記したことで有名です。
そのフロイスの死後から313年後の1910年に日韓は併合されました。『THE NEW KOREA』は併合からさらに16年後の記録です。著者であるアイルランドは可能な限り客観的なデータを引用し、世界を40年間視察した経験を元に日韓併合を分析しました。また、欧米の植民地との違いを深く考察しています。『THE NEW KOREA』が現代の韓国でどう評価されているか、一般の韓国人の反応はどうであるか、日本人として知りたいところです。韓国の毎日経済が2009年に掲載した書評がありますので、興味がある方はネットで検索すると読むことができます。日韓友好のために『THE NEW KOREA』は避けて通れない貴重に歴史的な記録となっています。