編集部ブログ

2020.08.11

新本と古本

 先日、身内が荷物の整理をして、かなり大量の本を、大手の古書チェーン店に売ったという話を聞きました。かなり昔の本ばかりだったらしいので、よかったのですが、新刊が普通に流通しているような書籍を古書チェーン店に売るのは、出版に関わる人間からすると、ちょっと待ったをかけたくなるものです。なぜかと言えば、古書店で本が売れても、著者や出版社には全く利益にならないからです。

弊社では、新刊が流通している間は、できるだけ古書店を利用せずに、書店やネット通販を利用して頂くことを、皆さまにお願いしています。出版文化を守るためには、それが必要だと考えているからです。

著者であれ編集者であれ、自分たちが関わった本は、できるだけ多くの人に読んでもらいたいというのが当然です。その意味では、古書店も、本を皆さまに届ける窓口のひとつではあるので、全く否定するわけではありません。ただ大規模な古書チェーン店で本が大量に右から左へと売買されている現状というのは、出版の世界にとって、あまり望ましいものでないのは確かです。もしも書籍のほとんどが古書チェーンで流通することになれば、出版の仕組みは成り立たなくなります。

自分の好きな作家や出版社があるという方には、あらためてお願い申し上げます。是非とも書店で新本を購入して、作家や出版社を応援してください。それはきっと、本という大切な文化を守ることにつながるはずです。

カレンダー

«8月»
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31