編集部ブログ
2020.07.14
「世界に広がる工芸の輪」展開催(石川県)
いしかわ生活工芸ミュージアム(石川県立伝統産業工芸館)で「世界に広がる工芸の輪」として、日本の伝統工芸を愛する世界の作家とその作品を紹介する企画展が、7月17日(金)~8月24日(月)の予定で開かれます。『漆に魅せられて』のスザーン・ロスさんの作品も展示される予定です。
いしかわ生活工芸ミュージアムで開催される「世界に広がる工芸の輪」チラシより
以前、取材で輪島にあるスザーンさんの工房にお邪魔したことがありましたが、本当に自然と共生するという暮らしが素敵でした。古い民家を改装し、水は裏山から自分たちで引くなど、至るところに工夫があり、自然への愛情が感じられました。
9000年以上昔の縄文時代から、私たちの祖先が使ってきた漆は、耐久性にすぐれ、とても美しいです。
実は、私たちが日常使っている安い漆器は、ウレタン塗りがほとんどです。本物の漆器は、手間もかかるので、お値段が全然違います。。でも、使い捨てではなく、気に入ったものを長く使う、そして、消えつつある漆文化を支える、と考えたら、決して高くありません。
スザーンさんのように、漆の不思議な力に魅せられた数多くの人々が、工夫に工夫を重ねて編み出した様々な技法は、絶対に絶やしてはいけないと感じます。
漆器を英語で"japan"と言いますが、スザーンさんは、"urushi"という呼び方を広めたい、と言っていました。
機会がありましたら、ぜひスザーンさんの作品をご覧ください!