一番偉い人は天皇陛下
小学校では、一番偉い人は天皇陛下だと教えられました。それとは別に「お前の好きな偉い人は誰か」とも聞かれました。私は、それをなかなか思いつかなかったことを覚えています。塩幡先生は、よくそういうことを生徒達に聞きました。「乃木大将」という人もいるし、「西郷隆盛」という人もいます。私は「どの人を挙げて良いか分かりません」と答えました。それに対して先生は何も言いませんでした。恐らく子供の考え方を試しただけなのでしょう。お前は将来どういう人を手本にして、どういう人になりたいのか、という意味で聞いたのだと思います。
小学校や中学校では、ことさら台湾の歴史というものは習いませんでした。私はそれを祖父の話から学びました。家には歴代の家系図もありましたし、祖先がいつ頃台湾に渡ってきて、どうなったといった話も聞きました。祖父の書いた書状もあります。台湾の地理は日本地理の中に入っていますので、学校の授業の中に自然に出てきました。