零戦(ゼロファイター)老兵の回想 南京・真珠湾から終戦まで戦い抜いた最後の生き証人

シリーズ「日本人の誇り」第九弾

幾多の修羅場を戦い抜いた零戦パイロットが語る戦争と平和、そして誇り。「この一見何気ない日常が実は涙が出る程に有難いことに気付いてほしい」と訴える。 開戦から70年を迎え、戦争の記憶が薄れゆく中、多くの日本人が知っておくべき真実が語られる

零戦(ゼロファイター)老兵の回想
  • 著者:原田要
  • 定価:1,220円(税別)
  • ページ数:299ページ
  • ISBN-10:4434162128
  • ISBN-13:9784434162121
  • 発売日:2011/12/8
  • サイズ:B6判 18.3x13x2.3cm
  • 発行元:桜の花出版

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表紙の帯より

滞空時間8000時間、日本が世界に誇った「零戦」を駆って戦い交戦国から畏れられた歴戦のパイロット。

南京攻略、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、ガダルカナル島争奪、幾多の戦場をくぐり抜けた著者のみが語り得る本当の戦争論!

国の誇りを守った男たちの記録。

<はじめに>より

真珠湾攻撃から、早いもので七十年の歳月が流れようとしています。私は、昭和十二年、海軍の戦闘機パイロットとなり中国戦線を皮切りに、南京攻略、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、ガダルカナル島争奪戦などの様々な戦場を体験しました。世界にその名を轟かせた「零戦(零式艦上戦闘機)」で敵と戦い、死を覚悟したことが三度もありました。しかし、奇跡的に命が繋がり、今年で九十五歳となりました。戦後、私は特に隠していたわけではありませんが、自ら進んで戦争の話をすることはありませんでした。

その私が戦争の真実を語るきっかけとなったのは、一九九一年に起こった「湾岸戦争」です。ミサイル攻撃をテレビで見た若者たちが、「花火のようで綺麗」「まるでテレビゲームみたい」と言っているのを目の当たりにして「これはいけないぞ!」と危機感を感じたのです。更に、戦争に行っただけで最前線の酷い所を知らない人たちが、口先だけの反戦を唱え、誤った戦争観を伝えていることにも非常に違和感を覚えました。

戦争は想像を絶する地獄であることを証言し戦争の真の姿を次世代に伝えることが、生き残った私の使命ではないかという覚悟が湧き上がって来たのでした。戦争にはスポーツと違ってルールがありません。非戦闘員を巻き込む無差別爆撃や原爆まで落としてしまいます。ベトナム戦争では枯葉剤まで撒かれてしまいました。

また、戦争には勝ち負けはありません。私が零戦で敵機を墜とした時にまず浮かぶのは、「墜とされなくてよかった」という安心感でした。そして次に「勝った」という優越感が湧きます。しかし、それらはほんの一瞬だけで、後は「あのパイロットにも家族がいたのだろうに」「残された家族が困るだろう」とやり切れない虚しい思いに包まれるのです。そしてその重く暗い思いを一生引きずらなければならないのです。

お互いに何の恨みもない者同士が殺し合う、殺さなければ自分が殺されてしまう戦争というものを私は憎みます。戦争が金輪際なくなってほしいと切に願っています。

ただ、だからといって私は、己の歩んできた過去を全て否定するつもりはありませんし、口先だけの平和を唱えるつもりもありません。

私は、「零戦パイロット」だった誇りを戦後も忘れたことはありませんでした。零戦という素晴らしい戦闘機に乘ることが出来、交戦国の兵士から怖れられる程の操縦技術を我々パイロットが身に付けていたことが誇りでした。何よりも、その零戦を駆って、自分の儲けや欲得のためではなく、国のために自分の命を捧げて全身全霊を打ち込んで純粋に戦ったという満足感がありました。それが私の「誇り」になっていました。

残念なことに、昨今、「日の丸を揚げるな」とか「国歌を斉唱するな」などとおかしなことが叫ばれています。これは、世界中を探しても日本だけではないでしょうか。自国の国旗、国歌を正しく守っていくのは、当然だと思います。それが、「誇り」に繋がるのだと思います。誇りをなくして生きることは楽ではありますが、それでは人に信用されなくなってしまいます。誇りとは、自分の考えに対する信念です。

ある時、日本をリードする立場の政治家が、戦時中に日本がやったことは全て悪いのだと、あちこちの国に謝罪をしたという話を聞き、余りにも情けなくなりました。

確かに戦時中は周辺国に迷惑もかけ、戦争に負けたけれども、百パーセント日本が悪かったのではなく相手も悪かったから戦争になったのです。それを自分たちだけを卑下して、必要以上に罪の意識を持つことはないのではないでしょうか。また、敗れはしましたが、日本が戦ったことで、それまで列強の植民地であったスリランカやベトナムなどアジアの国々が独立出来、その国の人たちが喜んでくれているという事実があるのですから、これは寧ろ大いに誇れることではないかと思います。

戦後、日本は豊かになる一方で、心は貧しくなり、人々は平和の有難さを忘れてしまいました。この平和は、ただ何もしないで転がり込んで来たものではありません。日本のために戦った兵士たちと戦争とは関わりがない筈の女性や子どもなど一般の人たちを合わせた三百万人以上ともいわれる人たちの犠牲の上に成り立っているのです。

亡くなった戦友たちも皆平和を望んでいました。彼らは家族と故郷の安泰を願って、死にたくなかったけれど、二十歳前後の青春を捧げて逝ったのです。今の平和の元には、彼らの「日本を守る!」という強い想いがあることを皆さんはよく心に刻んで、この一見何気ない日常が、実は涙が出る程に有難いことに気付いて貰えたらと思います。

この平和の有り難味を忘れたら、また戦争を起こしてしまいます。そのためにも、歴史を正しく伝えていくことが、我々先人の務めではないかと思っています。 

真珠湾攻撃から五十年を経た一九九一年、アメリカの開戦五十周年式典に「ゼロファイター」として羨望の眼差しで迎えられてから、かつては敵だった人たちと交流を持ち始めました。殺したと思っていた相手との劇的な再会もありました。彼らと付き合う中で、国は違っても平和を愛する気持ちに変わりはないことを実感しています。

また私は、戦後長い間、幼児教育に携わってきました。子どもたちの純真な瞳を見ると、この子たちに絶対に戦争の悲惨さを味わわせてはいけないと思います。

これから私が体験し感じたことを飾ることなくお伝えしたいと思います。そこから平和の有難さと、戦争は避けるべきということを理解し、平和な世の中を作り上げるために共に努力をして貰えたら誠に幸いです。

平成二十三年十一月吉日 生存老兵 原田 要

目次

はじめに

序章  最悪の戦場からの生還
  ガナルカナル島攻撃隊を擁護せよ
  グラマンF4Fとの一騎打ち
  相撃ち
  潰れた操縦席から死に物狂いで脱出
  不時着した味方偵察員の死
  アメリカ軍と間違い日本軍に接敵
  怪我が悪化しデング病とマラリアに苦しむ
  死ぬ時は必ず「おっかさん」
  満足感で死ねるというある種の達観
  諦めたら駄目だ
  ガナルカナル島からの脱出

第一章  少年時代
  生い立ち
  信心深かった祖母の影響
  日露戦争勝利の余韻の中の少年時代
  自然と軍隊に憧れを持つ
  当時の先生たちには愛情と熱意があった
  善光寺平での機動演習と壮観な閲兵式
  兵隊が巡査を殴っても問題にならず

第二章  海軍へ  憧れの戦闘機乗りに
  横須賀海兵団へ
  駆逐艦「潮」勤務
  軍隊は何でも「先頭第一」
  飛行機乗りを志す
  航空兵器術練習生として横須賀航空隊へ
  航空母艦「鳳翔」乗り込み
  念願叶い霞ヶ浦の飛行学校入学
  名パイロットの江島准士官に鍛えられる
  操縦の極意
  攻撃精神を叩き込まれる
  「雷撃の神様」村田重治少佐に教わる
  「手相」「骨相」での最終選抜 戦闘機乗りへ
  パイロットに適していた私の身体

第三章  中国戦線
  いざ、中国戦線へ
  のんびりした戦線
  南京攻略
  中国の便衣兵の処刑を目撃
  南京大虐殺は考えられない
  平穏な南京の街の様子
  日本人の中国人に対する感情と中国人の懐の深さ
  アメリカの砲艦パネー号を爆沈

第四章  開戦
  内地に戻り結婚
  死の際の苦しみを和らげるのを「坐禅」に求める
  「蒼龍」乗り込み 零戦との出会い
  ハワイ空襲用の超低空攻撃訓練をした雷撃機隊
  射撃訓練と空戦訓練
  秘技「捻り込み」
  命がけの着艦
  海軍機動部隊集結
  緘口令
  直訴が認められず涙を飲んで上空警戒
  手放しでは喜べなかったハワイ空襲成功
  真珠湾攻撃時に自爆した飯田房太大尉
  日本一の水平爆撃の名手を護れず
  空飛ぶ要塞B17撃墜ならず
  コロンボ上空での初空戦
  空戦で一番大事なのは「必勝の信念」
  戦友の「撃墜王」西澤君と岩本君
  射撃は腕より度胸
  深追いが仇となり自爆を覚悟
  母に導かれて奇跡の生還
  母の存在の大きさを知る

第五章  戦勢逆転
  ミッドウェー海戦
  三番機の最後
  味方の母艦が次々と炎上
  最後の発艦  そして海に不時着
  直衛隊をまとめる総指揮官がいてくれたならば
  アメリカ側にツキがあり  日本側には慢心があった
  四時間の漂流に死を覚悟
  参ったと逃げる敵に止めを刺した罪悪感
  相手を殺さなければ自分が殺されるのが戦場
  軟禁生活を経て日本海軍の墓場「ガナルカナル」攻撃が決定
  家内が神々しく見えた
  家内の祈り
  再び手にした零戦の操舵桿
  覚悟を決めて出撃
  偶然の妙で命拾い
  皆  誇りを持って飛んでいた
  日本海軍を支えた下士官
  個性豊かな人たちと軍隊の階級
  亡くなる人と生き残る人の違い
  内地同然のトラック島の病院で療養
  内地に帰る病院船  栄養失調の人たちが次々と亡くなる

第六章  内地へ  そして敗戦
  特攻第一号の関行男大尉を技術指導
  予科練の少年たちをグライダーのパイロットとして育成
  千葉航空隊で秋水のパイロット育成
  訓練でも多くの犠牲者が出た
  ベテラン戦闘機パイロットとしての誇り
  無謀な戦法
  笑って出撃した特攻隊員たち
  一縷の望み「神風」が吹くのを期待

第七章  戦後  敗戦の現実に耐え戦友の慰霊を誓う
  玉音放送と町の人たちの冷たい目
  ソ連軍侵攻の噂にゲリラ戦を準備
  家内と交わした別れの水杯
  荒れる兵士たちを歌で和ませながらの帰還
  故郷は温かく迎えてくれた
  公職追放  敗戦の現実を受け止める
  自分がやったことへの後悔 夢にうなされる日々
  託児所開設 天職となる幼児教育の場へ
  湾岸戦争を機に戦争体験を語り始める
  「ガ島」上空で一騎打ちをした米軍パイロットとの再会
  笑顔で迎えてくれたかつての敵英軍パイロット
  私は戦争を憎む
  戦友たちの慰霊をやらなければいけない
  日本は大和民族の誇りを無くしてしまったのか?
  日本だけが悪いのではない
  植民地の人たちに希望を与えた日本
  お世話になった故郷への恩返し

最終章  次世代を担う人たちへ-あとがきにかえて
  「生存老兵」の私が若い人たちに伝えたいこと

シリーズ「日本人の誇り」刊行によせて

コラム1  世界史から見た大東亜戦争1
コラム2  世界史から見た大東亜戦争2
コラム3  撃墜王たちの横顔
コラム4  零戦(零式艦上戦闘機)
コラム5  パイロット魂・友永丈市大尉
コラム6  ガナルカナルの戦い
コラム7  神風特別攻撃隊
コラム8  サムライ・坂井三郎
遺稿「終戦の思ひ出」原田 精
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