日米開戦

大東亜戦争が始まったのは、昭和十六(一九四一)年、私が工業学校の四年生の時です。十二月八日の真珠湾攻撃で、日本軍が大きな戦果をあげたという報道を聞いて、学友達は皆「よしやった!」と湧き立ちました。

その報を聞いた時には、すぐ銃剣を着けて学校の警備に当たりました。治安が乱れることを警戒してのことです。混乱に乗じて暴動が起きたり、誰が攻撃してくるか分かりません。何が起きるか分からないから、それを未然に防ぐためでした。

資源のない日本が、それまでABCD包囲網で苦しめられてきたのですから、真珠湾の攻撃で、その鬱憤が晴れたという気持ちはありましたよ。やっと勝ったな、戦うべきだ、と。ずっと苦しめられた時代に生きていたのですから、真珠湾攻撃成功の報を聞いて、万歳して喜んだのは自然な感情です。

今時の若い人が、戦争は日本が悪かっただの、特攻隊は可哀想だったの、なぜあんなひどい戦争をしたのかなどと言うのは、浅はかだし、時代を知らない者のセリフです。当時を生きていた人々の気持ちを知らないから言えることです。

コラム6 ABCD包囲網


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