過ぎ去りし素晴らしい日本 デコちゃんが生きた台湾日本時代の希望と国民党時代の絶望
内容紹介
台湾「日本時代」の真実と敗戦後の半生を綴った『日本人はとても素敵だった』刊行から21年、待望の続編!
前著で書き切れなかった日本の素晴らしさと戦後の国民党統治の過酷さを多くの人に知って貰えたらと、90歳を超えた著者が最後の力を振り絞って執筆。著者のあだ名「デコちゃん」目線で描かれ、歯に衣着せぬ物言いが魅力的。
著者は「統治者としての日本はまさに模範生であり、昔の日本人は律儀で、正直で、真面目で、優しく、本当に素晴らしかった」と綴るが、本書を読めば、植民地で搾取をした西欧列強とは違い、日本人が台湾を日本と同じように、いや、それ以上に発展させようとしていたことが理解できる。
戦後、国民党による38年にも及ぶ戒厳令下で、台湾人の有能で有望な青年が次々と殺されていく過酷な世の中にあって、前向きな気持ちを失わない著者に、読者はきっと勇気づけられ、日本人としての誇りを取り戻すことだろう。
戦前の日本時代の美風が忘れ去られ、台湾有事も強く懸念される中、日本人としてどうあるべきか?を改めて考えさせられる。ぜひ前作『日本人はとても素敵だった』と併せて読んで欲しい1冊!
本文より
「日本の教育を受けたデコたち台湾人は、シナ兵を見た時から強烈に、過ぎ去りし日本時代が恋しくなってきた。そして、台湾の人たちが事ある毎に口にするようになったのは『日本時代はこうだった。ああ、過ぎし日はよかったな』の声だった。」
「日本に対する思いは日増しに強くなる一方だったが、思えば思うほど、日本が遠くなって行くのはなぜだろう。ああ、日本時代! なぜに消えてくれた…。否、なぜに台湾を捨てたのか? 母国日本に捨てられた台湾は、世界の孤児になってしまった。台湾に逃げ込んで来たシナ人に統治されてから、台湾の全てが変わってしまった。」
目次
はじめに ― 台湾をユートピアに変身させた日本 ―
第一章 希望に満ち溢れた日本時代
第二章 開戦、疎開、そして終戦
第三章 混沌の中の青春
第四章 新しい出会いと始まり
第五章 国民党の罪業
第六章 逞しく生きる
おわりに ― 日本の皆さまへ ―
― 日台両国が姉妹として手を取り合って ―
著者紹介
楊 素秋(よう そしゅう)
昭和7(1932)年、日本統治下の台湾・台南市生まれ。台南師範学校附属国民小学校、長榮女学校(中学、高校)卒業。今も思考する時も、寝言も日本語。日本と台湾の架け橋の釘1本になりたいと、貿易、通訳、日本語教師など、多方面で活躍。2024 年現在、92 歳。