旧統一協会被害者救済新法を解説する 寄附の不当勧誘防止法 その意味と問題点

旧統一協会の被害者を救済するというふれこみで、異例の速さで成立・施行された新法。その内容をやさしく解説し、新法が宗教団体だけでなく、あらゆる法人の活動を規制しかねないと、その危険性を説く!

旧統一協会被害者救済新法を解説する 寄附の不当勧誘防止法 その意味と問題点
  • 著者:櫻井圀郎(さくらいくにお)
  • 価格:1,300円(税込1,430円)
  • ページ数:144ページ
  • ISBN-10:4434316974
  • ISBN-13:9784434316975
  • サイズ:四六判並製本 12.8 x 18.8 x 1.1㎝
  • 発行:桜の花出版/発売:星雲社

内容紹介

「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」は、いわゆる「統一協会問題」に端を発し、内閣が「被害者救済新法」という触れ込みで、2022年(令和4年)12月1日に法案提出、12月8日に衆議院通過、12月10日に参議院通過という異例のスピードで成立、1月5日から施行されています。

この法律の検討段階から、その内容に警鐘を鳴らしてきた著者が、新法の全貌をわかりやすく解説。さらに、この法律のどこが問題か、どのような影響が考えられるかを明らかにしています。

ほとんど知られていないことは、この法律が、問題とされた統一協会のみならず、宗教団体や宗教活動の寄附にも限られず、学校法人、社会福祉法人、医療法人、市町村、町内会など、あらゆる法人等への寄附に適用される一般法だということ。株式会社、市町村などあらゆる法人や、PTA、町内会、同好会、スポーツクラブなど、あらゆる団体の関係者は、この法律の正しい理解が必須です。
信者、崇敬者、会員、社員など、寄附の勧誘を受ける側にとっては、寄附の勧誘が不当であれば寄附を取り消し、寄附した金品を取り戻すことができる条項を含むため、この知識は重要です。

さらには、宗教と法律の専門家である著者は、この法律が、宗教団体や宗教活動に対する誤った理解を広めかねないこと、宗教活動が不当に制限される可能性についても語っています。不適切な返還請求を避けるための対策についても触れています。

著者紹介

〇現職: 宗教法および宗教経営研究所・所長教授、宗教に特化した司法書士・行政書士、日本長老教会・神学教師、日本キリスト教連合会・常任委員法務顧問、東京都宗教連盟・参与、東京都神社庁・行政実務相談役、京都仏教会・顧問、ほか。

〇元職: 東京基督教大学・教授(法学、神学)、共立基督教研究所・所長、宗教法学会・理事、宗教法人審議会・委員、東京高等教育研究所・研究員、ほか。

〇学歴: 名古屋大学法学部、同大学院博士課程(民法専攻)、東京基督神学校、米国・フラー神学大学神学高等研究院(組織神学専攻)、高野山大学大学院(密教学専攻)、ほか。


〇関連の著作:

  • 消費者保護 櫻井圀郎『広告の法的意味 広告の経済的効果と消費者保護』(勁草書房)
  • 宗教法人 櫻井圀郎「宗教法人法制の検証と展開」『21世紀民事法学の挑戦』(信山社)
  • 宗教活動 櫻井圀郎『教会と宗教法人の法律』(キリスト新聞社)
  • 献金等 櫻井圀郎「キャッシュレス化社会における宗教活動と宗教団体の責任」『キャッシュレス社会と宗教活動』(京都仏教会)
  • 神学 櫻井圀郎『神と人間の神学』(「法と神学」のミニストリーズ)
  • 宗教の制約 櫻井圀郎『中国の宗教法令』(宗教法および宗教経営研究所)

『寄附の不当勧誘防止法 その意味と問題点』で扱っている主な分野

  • 対象となる「法人等」とは誰か
  • 宗教法人の特殊性
  • 個人としての活動は対象外
  • 対象となる「寄附」とは
  • 法人等がなすべき「配慮義務」とは
  • 扶養する家族のための特則
  • 懸念される宗教活動への影響
  • 宗教行為としての「献金」と「寄附」の違い
  • 「霊感」すべてを不当な勧誘とし宗教を侮蔑する危険性
  • 神道や寺院など、日本の伝統的小規模団体の危機
  • 面白半分の訴訟乱立の恐れ

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