わが誇りの零戦 祖国の為に命を懸けた男たちの物語
祖国を守る!その純粋なる一念で戦い抜いた元零戦パイロットが語る永遠の願い
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本文より
「かつての『敵』は、とても優しい目で我々夫婦を迎えてくれました。そして、片手で自由が脚を支え、『ヨウコソ』と、もう片方の手を差し出したのでした。彼の手を固く握り締めると、私の目から涙がとめどなく溢れてきました。『止めを刺さないでよかった!』私はしばらく言葉が出ませんでした」
目次
はじめに
序章 最悪の戦場からの生還
ガダルカナル島攻撃隊を掩護せよ
グラマンF4Fとの一騎討ち
相撃ち
潰れた操縦席から死に物狂いで脱出
不時着した味方偵察員の死
アメリカ軍と間違い日本軍に接敵
怪我が悪化しデング熱とマラリアに苦しむ
死ぬ時には必ず「おっかさん」
満足感で死ねるというある種の達観
諦めたら駄目だ
ガダルカナル島からの脱出
第一章 少年時代
生い立ち
信心深かった祖母の影響
日露戦争勝利の余韻の中の少年時代
自然と軍隊に憧れを持つ
当時の先生たちには愛情と熱意があった
善光寺平での機動演習と壮観な閲兵式
兵隊が巡査を殴っても問題にはならず
第二章 海軍へ 憧れの戦闘機乗りに
横須賀海兵団へ
駆逐艦「潮」勤務
軍隊は何でも「先頭第一」
飛行機乗りを志す
航空兵器術練習生として横須賀航空隊へ
航空母艦「鳳翔」乗り組み
念願叶い霞ヶ浦の飛行学校入学
名パイロットの江島准士官に鍛えられる
操縦の極意
攻撃精神を叩き込まれる
「雷撃の神様」村田重治少佐に教わる
「手相」「骨相」での最終選抜 戦闘機乗りへ
パイロットに適していた私の身体
第三章 中国戦線
いざ、中国戦線へ
のんびりした戦線
南京攻略
中国の便衣兵の処刑を目撃
南京大虐殺は考えられない
平穏な南京の街の様子
日本人の中国人に対する感情と中国人の懐の深さ
アメリカの砲艦パネー号を爆沈
第四章 開戦
内地に戻り結婚
死に際の苦しみを和らげるのを「坐禅」に求める
「蒼龍」乗り組み 零戦との出会い
ハワイ空襲用の超低空攻撃訓練をした雷撃機隊
射撃訓練と空戦訓練
秘技「捻り込み」
命がけの着艦
海軍機動部隊集結
緘口令
直訴が認められず涙を飲んで上空警戒
手放しでは喜べなかったハワイ空襲成功
真珠湾攻撃時に自爆した飯田房太大尉
日本一の水平爆撃の名手を護れず
空飛ぶ要塞B17撃墜ならず
コロンボ上空での初空戦
空戦で一番大事なのは「必勝の信念」
戦友の「撃墜王」西澤君と岩本君
射撃は腕より度胸
深追いが仇となり自爆を覚悟
母に導かれて奇跡の生還
母の存在の大きさを知る
第五章 戦勢逆転
ミッドウェー海戦
三番機の最期
味方の母艦が次々と炎上
最後の発艦 そして海に不時着
直衛隊をまとめる総指揮官がいてくれたならば
アメリカ側にツキがあり 日本側には慢心があった
四時間の漂流に死を覚悟
参ったと逃げる敵に止めを刺した罪悪感
相手を殺さなければ自分が殺されるのが戦場
軟禁生活を経て日本海軍機の墓場「ガダルカナル」攻撃が決定
家内が神々しく見えた
家内の祈り
再び手にした零戦の操縦桿
覚悟を決めて出撃
偶然の妙で命拾い
皆 誇りを持って飛んでいた
日本海軍を支えた下士官
個性豊かな人たちと軍隊の階級
亡くなる人と生き残る人の違い
内地同然のトラック島の病院で療養
内地へ帰る病院船 栄養失調の人たちが次々と亡くなる
第六章 内地へ そして敗戦
特攻第一号の関行男大尉を技術指導
予科練の少年たちをグライダーのパイロットとして養成
千歳航空隊で秋水のパイロット養成
訓練でも多くの犠牲者が出た
ベテラン戦闘機パイロットとしての誇り
無謀な戦法
笑って出撃した特攻隊員たち
一縷の望み「神風」が吹くのを期待
第七章 戦後 敗戦の現実に耐え戦友の慰霊を誓う
玉音放送と町の人たちの冷たい目
ソ連軍侵攻の噂にゲリラ戦を準備
家内と交わした別れの水盃
荒れる兵士たちを歌で和ませながらの帰還
故郷は温かく迎えてくれた
公職追放 敗戦の現実を受け止める
自分がやったことへの後悔 夢にうなされる日々
託児所開設 天職となる幼児教育の場へ
湾岸戦争を機に戦争体験を語り始める
「ガ島」上空で一騎討ちをした米軍パイロットとの再会
笑顔で迎えてくれたかつての敵英軍パイロット
私は戦争を憎む
戦友たちの慰霊をやらなければいけない
日本は大和民族の誇りを無くしてしまったのか?
日本だけが悪いのではない
植民地の人たちに希望を与えた日本
お世話になった故郷への恩返し
最終章 次代を担う人たちへ―あとがきにかえて
「生存老兵」の私が若い人たちに伝えたいこと
シリーズ「日本人の誇り」刊行によせて 山口春嶽
引用・参考文献
コラム1 世界史から見た大東亜戦争1
コラム2 世界史から見た大東亜戦争2
コラム3 撃墜王たちの横顔
コラム4 零戦(零式艦上戦闘機)
コラム5 パイロット魂・友永丈市大尉