新しい日台関係を
ところが、台湾は、その社会の中に矛盾を抱えてもいるのです。つまり、私達と次世代即ち、日本語族(台湾語族)と中国語族とが別れてしまい、理解しあえないということです。
中国が来てから、台湾でも教育は反日の教育になっています。人口のたった一五パーセントでありながら、政治やメディアを牛耳ってきた蒋介石のグループが、意図的に日本時代を悪く宣伝しているのです。だから、私達が知っている日本時代のことも、事実が教えられていません。言っても聞いてくれないから、私達も言いません。
といっても、韓国、北朝鮮のような反日はありません。日本時代を懐かしむ親達の世代の影響で、日本に好意を持つ若者も少なくありません。だから、台湾はかろうじて今でも一番の親日国なのです。
台湾の若い人達は、日本の若い人達とよく手を握ってやっていくべきです。日本の若い人も捏造された嘘の歴史を学んではいけません。双方に、正しい歴史を知ってほしいと願っています。
同じ日本の統治を経験した国として、韓国と台湾はよく比較されます。韓国は台湾とは正反対の非常に反日の国になりました。私の目には、韓国は結局は、アメリカの戦略に乗せられているように見えます。台湾統治の方が、韓国統治より長かったせいだとよく言われますが、それよりも、一番の違いは、戦後の教育、そして国民性の違いでしょう。韓国人は、日本統治を「恨み」としていますから、総督府を取り壊すという極端なことをやりますが、台湾人にその感情はありません。私が勤めていた西松組にも、同僚に韓国人が三人ほどいましたけれど、当時からあまりいい感じではありませんでした。
今、日本も台湾も、同じような状況にあります。数パーセントの反日の思想に国全体が動かされています。日本も台湾もお互い苦況にありますが、これを変えていかなければならない。そのために、こうやって一生懸命私が知っていることをお話ししているのです。