台湾発展の基礎
台湾の悲しさというのは、日本時代に教育を受けた文化水準の高い人達を、後から入ってきた程度の低い人達が押さえようとしたことにあります。だから、それは結局武力しかなかったということでしょう。私達、日本語族は、言いたいことも言えず、苦難の時代を過ごしてきたのです。
しかし、日本時代に教えられてきた「公」の精神がなお、昔の人々の間に根付いていたために、今日の民主化が生まれたのです。五十年間の日本統治による衛生、教育、水利、電力その他の工業基礎のお陰で、今日の台湾の発展があるのです。
私達の世代は台湾の復興、発展を築いた基礎です。礎になって頑張った年代です。だから、その公の精神を根付かせてくれた日本時代が恋しいのです。
私は、フランスに二回行きました。東南アジアも歴遊しました。大陸へも四回行きました。けれど、日本へは二十数回行っています。普通の日本人よりも、日本の各地に行っています。
日本はいつ行ってもいいものです。周囲が全部日本語ですし、日本食ですから、何でも合います。周りが全部日本語だから、若返ります。きっと、気持ちが昔に戻るからでしょうね。私は、日本に行ったら紀伊国屋に入り浸りですよ。
李登輝さんが、自分達は日本語を勉強したお陰で色々な技術や知識を修得できたと言っているのは、間違いないことで、私もそれを実感しています。